「サンプルパックを何十分も聴いているのに、なかなか理想の音が見つからない」
「シンセのプリセットを延々と切り替えているうちに、気づけば30分経っていた」
DTMをやっているなかで、よく聞くエピソードです。
音選びに時間がかかるのはごく自然なことです。多くのクリエイターが同じように音探しに時間をかけています。
サンプルパックには数千ものドラムや効果音が収録されているものもありますし、ソフトシンセには数百〜数千種類ものプリセットが用意されています。
その中から理想のサウンドを探すのですから、時間がかかるのは当然です。
音色によって明るく聴こえたり、切なく聴こえたり、印象が大きく変わります。
音選びは単なる作業ではなく、曲の世界観を作る大切な工程なのです。
また、完全に理想通りのサウンドを探そうとする必要はなく、EQやコンプレッサー、リバーブやディレイなどのエフェクトを活用して理想のサウンドへ近づけていくことを前提に音を選ぶのも一つの方法です。
「完成された音」ではなく、「完成形に育てられそうな音」を選ぶという考え方です。
また、音探しに集中しすぎると、せっかく浮かんだメロディやコード進行、アレンジのアイデアを忘れてしまうこともあります。
忘れないように仮の音色で曲全体をスケッチしておいて、理想のサウンドが見つかった際にブラッシュアップすると効率的です。
実際にこのような流れで制作を進めている多くのクリエイターがいらっしゃいます。
そして、音選びで一番大切なのは、「こだわり」を持つことです。
明るさ、太さ、優しさ、強さなど、その楽曲に合うサウンドかどうかを見極めること。そして、そのこだわりを大切にすることが、完成度の高い作品につながります。
「こだわるから時間がかかる。」
これは決して悪いことではありません。
むしろ、良い作品を作ろうと真剣に音と向き合っている証拠です。
もちろん、経験を積めば制作スピードは自然と上がっていきます。
自分がよく使うサンプルやお気に入りのプリセットが少しずつ増え、「このジャンルならこのキック」「この雰囲気ならこのシンセ」という定番ができてきます。こうした経験を積むことで毎回ゼロから探す必要がなくなり、音選びの時間も短くなっていきます。
「音を選ぶ力」もDTMにとって大切なスキルです。
そして、そのスキルを磨いていくことが、音選びのセンスにつながっていきます。
たくさんの音を聴き比べ、「この音が好き」「この音は少し違う」と判断を繰り返すことで、耳も確実に成長していきます。
音選びに時間がかかるからといって、「自分にはセンスがない」と思う必要はありません。
焦らず、一つひとつの音と向き合い、自分なりのこだわりを大切にしてください。
その積み重ねが、あなただけのサウンドを作り上げていくはずです。
